日本から家族や友達が来たら 絶対に連れていきたいと考えているのが、オレゴンのワイナリー巡り。(だーれもまだ来る気配はないが。)
カリフォルニアのNapaやSonomaなどと比べると 面積の規模は大きく違うかもしれないが、オレゴンのワイナリーが持つヴィンヤードは壮大で美しく、そのひけをとらないと思う。そして、完全に地元びいきだけど、カリフォルニアのワインより オレゴンのワインの方が断然美味しいと思う。本当に日本に住む家族や友達にその景色を見せたい、飲ませたい!
オレゴンだと、やっぱり赤はPinot Noirという。私の意見としては、Pinot Noirは当たり外れがひどく、レストランで知らないでグラスなんかで注文すると 殆ど外れが多い。だから自費の外食の時は、Pinot Noirを注文して残念な気持ちになるよりも、2-3ドル安い、味に極端な違いもなくフルボディーで安定しているCabernetを注文する。
でもワイナリーに行ったら メインはPinot Noirとなる。私の経済力では 街のレストランなどで、本当に美味しいPinot Noirはなかなか見つけられない。でもワイナリーでは テイスティングルームで少しつづ様々なワインを味見できるから、安く宝探しができるのだ。オレゴンでPinot Noirを作っていないワイナリーはほとんどないんじゃないかな。とってもセンシティブなブドウだから、個性の違いが出やすい。ワイナリーによって 色鉛筆のカラーのように その出来は様々。テイスティングで そのカラーの違いを比べるのが楽しい。美味しいPinot Noirに出会ったら本当に幸せな気持ちになる。真さに宝探しなのである。
しかしさー、美味しいワインって、なぜ、こんなにも 幸せな気持ちにさせるんだろうね。とっても不思議。
先週行ったPenner-Ashのワイナリーも 非常によかった。
テイスティングして、ワインやワインメーカーの歴史やうんちくを聞いて、私達があまりにもチャーミングだったせいか、テイスティングメニューに載っていない別のワインも注いでもらったりして、すっかりご機嫌だった。
なぜ Penner-Ashを今回選んだかというと、ここのワイナリーの白ワインが、先日中国の首相が訪米した時に、ホワイトハウスでのディナー用に選ばれた、という記事を読んだから。ホワイトハウスのディナーにしてこの庶民的な値段、1本$30、スクリュートップ! てね。
これをどうしても試したかった。主要人物を迎えるにあたってホワイトハウスが選んだ$30のワイン。アタシにも買えるじゃんっ!
嬉しい事にこのワインがテイスティングのメニューの中に入ってた。
これが、めちゃくちゃ美味しかった! 丸くて、柔らかく、ハニーのような舌の絡みがあり、それでいて甘くはなく、キレイなドライ感があった。
なんて良心的なのだ! あと数ケースしかない、という言葉に乗せられて1本買っちゃいましたよ。2014 Oregon Viognier。
あと、このViognierも含め、Penner-Ashの白ワインは フランスの白ワインを思わせる味がする。やっぱりオレゴンの土と気候が フランスに似ているっていうのが、似たようなぶどうの味を産み出しているのかな。カリフォルニアの白ワインでは思わないもの。ワインメーカーも フランス産のワインを意識しているのだろう、と勝手に思った。
通常、ワイナリーに行くと、テイスティングの後に、その中で気に入ったワインをグラス、またはボトルで買い、そのワイナリーの暖炉の傍や、テラスや 敷地の芝生などに座り、ゆっくり時間を過ごす。
Penner-Ashは ヴィンヤードが見渡せる高台に位置しているので、そこからの眺めは絶景。大きく開いたテラスの向こうには芝生の敷地が続いていて、そこに腰かけると 温かい春の日差しと風を感じられて本当に気持ちよい。
今日 選んだ一杯は、テイスティングメニュー以外で出してくれたワインのひとつ。ロゼ。2015 Roseo。
ロゼというと 甘いワインを思うけど、これは優しいドライで、ベリーのような香りと甘みが微かにあり、ルビーの輝きを飲んでいるような感じだった。2015と若いけど、変な若さで暴れてる感が全くなく、オトナの女性、という感じだった。
これをグラスで買って、外に腰かける。
この時間が 喜びの時間なんだよね。 友達と行けば、人生の話で盛り上がり、(うまくいっている)パートナーと行けば、将来の話で盛り上がり、時間が経つのも忘れる。
本当にこういうひと時を、日本の家族や友達とも味わいたい、味あわせてあげたい!と思う。だから彼らが来たら、絶対連れて来てあげたいと思うわけ。
腰の重い奴らに、イメージ写真で釣ろうとメッセージを送った。
「是非、Penner-Ashのウエブサイトに行って、その敷地の写真を見てちょうだい、こんなとこなのよ! 行ってみたいと思わない!?」
いつかやって来るだろうという希望のもと、私のワイナリー巡り、開拓は続く。
これから いい季節になるね。
Kiki
Posted on 夕焼け新聞 2016年5月号