Sunday, July 29, 2012

おいしい話 No. 64「老化の速度を落とすのだ!」




ハビーが一ヶ月ほど前、友人のカメラマンの穴埋めで、急遽ある撮影に借り出された。それはフィットネススタジオのWorkoutメニューの紹介ビデオだった。ただカメラをセットして インストラクターの動きを正面から撮影しただけだから、別にこれと言って編集するところもないんだけどね、と言いながら、家に帰ってきたハビーが映像をコンピュータに落としていた。
エクササイズかあ。最近ものすごく必要性を感じているんだよね、と中年腹xビール腹を見下ろす。 こうやってカウチに座っていると、俵のように盛り上がる下腹。脂肪だけで ぶよぶよとたるんでジェリーの状態。「ふっ!」と勢いで引っ込めてみても、筋肉がないもんだから コントロールが効かない。こんな状態で、このままトシをとっていっていいものだろうか。
今本気で運動を始めないと、5年後、10年後には、とんでもない事になっているのではないか。恐怖が胸を支配し始めた。もちろん、老化を誰も止められないのはわかっている。どんなに整形したって、老化はいつもその整形顔から飛び出して、年の匂いを放っているものだ。だったら、ゆっくりと、綺麗に年を取っていきたい。ダイアン レインのように。明らかにもう若くないが、それでも加齢臭ではなく、美しさや輝きが放たれる。そんな歳のとり方をしなければ。そして 今腰をあげないと、手遅れになる!

エイヤッ、と腰をあげ、ハビーのコンピューターまで 体を移動。「どんなエクササイズなの?」
それはPortlandの女性が開発した、ヨガとピラテとバレエが組み合わさった、エクササイズだった。タイツをはいたインストラクターが、後ろに控えるモデル2人を、軽快な口調で促していく。その編集完成作品に目が釘付け。映像ではなく、このエクササイズのメニューの完成度に、驚いた。
ここで私がどういうエクササイズかを説明するよりも、是非Websiteで一見して頂きたい。美しい姿のモデル達が、足をぴーんとそりあげて、アップ アンド ダウン、アップ アンド ダウン。スクワットをして おケツを アップ アンド ダウン、アップ アンド ダウン。
これは すごい、と 思った。
このエクササイズは ジムで えっさほっさとウエイトを上げて、筋肉ムキムキになる運動ではなくて、綺麗に脂肪を落とし、ほっそりとした筋肉をつけられる動きだ!
とたんに、早くもこの夏には、美しくシェイプアップし、セクシーに筋肉をつけた自分の姿がイメージできた。
I am going to do it!
ハビーに大宣言し、スタジオの名前を聞いた。その名は「Barre3」。
Websiteに行き、クラスのスケジュールの予約を入れる。
それと同時に、Barre3のリンクを女友達に一斉送信。
「この夏は 私はキラーボディーになり、ビーチでブイブイ言わせるカラダになるからね!」というメッセージを添える。「そして、新しいビキニも新調しちゃうわ!」
同世代の女達が それに即反応。「なぬっ?!」
本当にこの夏そういうカラダになっている私を想像した彼女らが 黙っているわけない。「I’m in too!!

まずは 初回入会者用の 3$40から始める。
Pearl Districtのスタジオで 最初に受けたのは Meeganのクラス。1パウンドのウエイトを持って 腕を伸ばし、上下に動かす。それと同時に中腰の腰を上下に動かす。「Small move.  Just one inch, one inch. Tiny move girls!
バーに捕まり、つま先で立ち、そのまま中腰に腰を下げ、それを上下に動かす。四つんばいになり、ピラテのボールのバレーボールサイズを膝の裏に挟んで、宙で 上下に動かす。
膝の裏や内側、脇や下腹、腰の下部など、使ってない筋肉が、たたき起こされ、びっくりして プルプルしている。
遠いカウントダウンの中、「うぉー、、、。」という情けない声が、体から漏れる。

なんて女性の体のタルミをわかったエクササイズなんだろう。女性がどこをどういう風に締めたいか、ちゃんとわかっているメニューだ。Meeganのあのぷりっとしたおケツになる日も遠くない。

歳を取る恐怖心て、女性をDesperateにするものなのね。でも、すべては自尊心の問題なの。「人の目」じゃなくて、「自分の目」なのよ。自分が、歳を取っていく自分を好きであることが、一番大事なのです。
ということで、私のBarre3熱は、同じくDesperateな女友達と 暫く続きそうな感じ。目指せ Happy Aging!!



Kiki



Barre3



Posted on 夕焼け新聞 2012年7月号

Monday, July 9, 2012

おいしい話 No. 63「ポートランドからゲッタウエイ-独り旅もOK」


最近やっと冬季から抜けたポートランド。快晴の日は あったかくて、本当に気持ちがいい。寒さ嫌いで 腰の重い私も、お日様が顔を出すと、外に出ないわけにはいかない。週末だったら ちょと軽くドライブなんかもしたくなる。ポートランドのいいところは 2時間でビーチに、1時間で山にいけちゃうところよね。ありとあらゆるところにキャンプ場はあるし、スキーも、ハイキングも、トレッキングも、アウトドアでアクティブな人にはもってこい。
アウトドアとは正反対に位置する私は、マティーニを片手に メトロ圏内に留まるのが常だけど、あんまり気持ちがいいと、ちょっとしたGetawayを試みたくなる。私のお気に入りのルートで。

私が パワースポットだと確信するColumbia River Gorgeを旅するこのルート、本当に浄化された気持ちになるから 是非このコラムを片手に車を出してみてちょうだい。

ポートランドからI-84Eに乗っかって東に。Exit 22で降りてCorbet Hill Rd.を上がり、Historic Columbia River Hwyに入る。別名 Oregon Trailと言われるこの道は、19世紀の開拓者達が、西へと新しい土地を求めてワゴンを走らせた歴史がある。I-84ができるまでは、このHistoric Hwyがメインの交通路だったみたい。今は舗装されているけど、ワゴンで走っていた時代は、そうとう荒く、過酷な道だったはず。
まずは Women’s Forum State Scenic Viewpointで車を止め、Columbia River Gorgeの壮大なパノラマを体感してほしい。ここで一回鳥肌が立つ。この渓谷は、何億という年月の中、地殻変動が繰り返されたわけだけど、氷河期の終わりに起こった大洪水がキーポイントで、現在の姿が形成された。ゴーゴーと雷音を響かせながら岩を砕き、猛烈な勢いで渓谷を切り裂いていくColombia Riverを想像し、自然の大いなる力に圧巻。
そこから10分走ると、有名なCrown Point and Vista Houseに着く。周りに何もない崖っぷちの上に位置するこの場所は、風の強い日は カラダが吹っ飛ばされそうになるので気をつけて。
このポイントから Multnomah FallsまでのHistoric Hwyの道のりが 非常に良い。ラジオやCDは止めて、窓ガラスを下ろす。イオンが充満する林の中をゆっくり走り、心と体を浄化。パワースポットのエネルギーを充電する。時に小さな滝が 道路沿いに現れるので、車を止めて散策するもよし。
温かくなると動物だけじゃなく、人間も外に出てくるもんで、午後のMultnomah Fallsのピーク時は、とんでもない台数の車が集まる。駐車場を拡大したも、比例して観光客も増えているので、ここで 駐車場の確保に、せっかく癒した心を荒立たせないよう注意。おトイレ休憩して、長い滝を上手くフレームに収めた後は、更に西に路を勧める。
一旦、I-84に戻りHood Riverに向かう。Exit 40で降りてBonneville Damに立ち寄るもよし。ここの観光センターで見たColumbia Gorgeの歴史ビデオ、先に触れた大洪水の説明などもあり、感動したよ。

Hood Riverは 小さくてかわいい町だよね、。小さいのに、素敵なレストランやカフェ、バーが沢山あって、賑わいがある。Full Sail Breweryでコロンビア川を見下ろしながら冷たいビールを飲むもよし、数あるWineryのいくつかを回り、テイステイングを楽しむもよし。Celiloでファンシーなランチタイムもいい。ブティックや本屋を覗いた後は、川まで降りて行く。川岸でサンダルを脱ぎ、冷たい水に足をつけて、Wind Sailingをぼんやり眺めるその心地よさ。Gorgeの優しい風が、嫌な事もさらって行ってくれる。

Hood Riverから I-84で更に東に走ると、Historic Hwyのサインが再度現れる。ここからのHwyの道のりも最高に気持ちいい。高く広々としたRowena CrestView pointからみるGorgeの風景は、また違う表情を見せる。
このメニューで日帰りができるのが このGetawayのポイント。もちろん宿泊もできるけど、ドライブがてらフラリと訪れて、帰りたければその日に帰れる距離感がいいのよ。Hwy 35Mt. Hood側を回ると、道中美しいMt. Hoodを眺望できていいけど、私はI-84をコロンビア川に沿って帰るのが好き。夕方だと 日中とは違った太陽の色で、Gorgeの風景も変わるんだよね。雄大な川とその両側に聳え立つ、断層を露にした渓谷。もう神がかっているとしかいいようがない。
本当にパワーポイントのエネルギーを感じちゃうの。
浄化されて リフレッシュされるColumbia River GorgeGetaway, 物憂げな独り旅にもOKです。


Kiki


Posted on 夕焼け新聞 2012年6月号