Portlandに住んでいて、Portlandを巡るツアーに行った事がある人はそんなにいないだろう。ましてや職場がダウンタウンで、普段から街中をウロウロしているなら、尚更ダウンタウンのツアーなどには行こうとは思わないだろう。
先日Portland
Walking Toursでガイドをしている知り合いから、翌日のツアーにキャンセルが出たから興味があったらおいでと誘われた。「It’s
free!」
知り尽くしていると思っている界隈でも、その魔法の言葉を聞いたら 考えないわけにはいかない。
この会社は 基本「Walking
tour」で、ダウンタウンを歩いて回るツアーを行っている。Portlandiaの銅像から 世界で一番小さい公園を巡るツアーやら、アンダーグラウンドツアー、レストランを回るフードテイスティングのツアーなど様々。今回彼が誘ってくれたのは、「We Got
Tipsy in Portland Tour」と言って、何軒かのバーをテイスティングしながら回るツアー。Thanksgiving後の飲んで食べ疲れた翌日にまた飲み歩きかい!と思ったが、魔法の言葉はパワフルすぎた。
午後1時半の出発に合わせ、この会社のオフィスがあるPioneer Courthouse Squareに集合。他の参加者はWisconsinから来た6人のグループとNew Yorkから来たギャル2人。スタートはBroadwayにある「Oregon Wines on Broadway」から。この店は私がPortlandに移って来た時からある。現オーナーが大学を卒業して間もなく、職探しをしている時に見つけたWine bar。働き始めて半年経った時、当時のオーナーが店を閉めると言い出した。まだワインの事などわからなかった彼女だが、両親の助けを借りて買い取った。それからもう17年が経ち、彼女も立派なワインエキスパートに成長したようだ。テイスティングはもちろんOregon産のPinot NoirとPinot Gris。
少しスナックを、と言う事で、Alderと10thにあるフードカートに立ち寄った。「Altengartz」という本格的ジャーマンスタイルのBratwurstのホットドック屋さん。自家製のソーセージは期待をはるかに上回る美味しさで、ちょっとびっくり。Wisconsinから来たグループも「Approved」と笑顔で判を押していた。
次に向かったのが、Oregonで最も歴史が古く規模が大きいとされる蒸留酒の会社「Rose
City Distilling」のテイスティングルーム。ここではGin, Vodka, Whiskey, Rumのサンプルを用意してくれていた。私が気に入ったのは、オレゴン産のLemongrass,
Juniper, そしてBlood orangeの皮を使ったGin。Ginはそんなに好きではないのに「これはいける」と思った。それから、BourbonとSherryの「Double
Barrel」で寝かされたWhiskey。まろやかでエレガントな味わいが非常によかった。
パーホッピングは始まったばかり。ワイン、ハードリカーと来たら次はビール。Chrystal
Ballroomの下にある「Ringlers Pub」でCrystal
BreweryのRuby, Terminator Stout, Hammerheadの3種類のビールを頂く。Rubyは薄いピンク色をしており、グレープフルーツのようなシトラス系の味がするが、実はオレゴン産のMarionberryだとか。もう何度も飲んでるビールなのに、その事実を今回初めて知った。Stoutはローストしたコーヒーの味わいがあるダークビールで Hammerheadはホップの苦味が聞いたIPA。毎日2時からBreweryのツアーがあってChrystal
Ballroomの建物の歴史も学べるとか。数々の有名なアーティストがここで演奏をして来たようだが、Jimi
HendrixがLittle Richardというバンドで演奏中、あまりに自分本位なギターのプレーをしすぎて、ショーの途中でクビになったという逸話があるらしい。
「Ringlers
Pub」を出たかと思いきや、また数秒歩いた先にある「Ringlers Annex Bar」に入る。狭い階段を降り、プラステックのカーテンを開けて足を踏み入れると、そこは暗い地下のバー。ストリートの丁度真下に存在し、隠れ家のような秘密な雰囲気が漂う。そこでこのツアーの為に特別に作ってくれたWhiskeyのカクテルを頂き、NYのギャル達が食べたいと訴えていたトリュフのオイルで風味を付けたフレンチフライをオーダーしてもらった。徐々にツアーの皆のおしゃべりの声が大きくなってきた。
ここからPearl
Districtに向かう。そこには今盛り上がっているサイダーのお店、「Cider Bite」がある。OR産だけでなく、WAや、NY, CA産なども含め32種類ものサイダーが揃っており、フライトなどで複数の種類をテイストする事ができる。私達はお店の人が選んだ4種類のサイダーを味見した。個人的には普段は好まないが、どれも美味しく飲めた。Gluten
freeの人やサイダー好きにはたまらないバーだろう。
この辺りで、本当に「We got
tipsy」になって来た参加者達。真っ赤な顔で ニコニコ上機嫌である。「Tipsy」が丁度いいあんばいで、「Drunk」や「Wasted」になる前に、スケジュール通りこのテイスティングツアーはここで終了。
こうやって違う州から来た人達と一緒に、Portlandの街を違う角度から体験するのも楽しいもんだと思った。Portland
Walking Tour。いつかりょっこり参加してみれば?
Portland Walking
Tours
503-774-4522
Posted on 夕焼け新聞 2017年12月号