Hood Riverに住む知人Danが、発起人となって Hood River発の 映画祭を開催した。Mt Hood Independent Film Festival。アメリカ国内だけなく、世界中から応募作品が送られてきた。170作品。その中で77作品が選ばれ 3日間 3箇所、4つのシアターで上映された。
この映画祭には Hubbyが製作したDocumentaryも上映されるし、DanとHubbyが製作した映画も上映されるということで、この10月最後の週末はHood
Riverに移住することになっていた。
そんなFestival開催の一週間前、Danから電話があった。
「I need your help!」
選ばれた作品の中に、日本からの応募作品があった。「父の愛人」-My Father’s Mistress。その監督と主演女優が わざわざこのFestivalに日本から来る、という。「どうやら彼らは 彼らの映画が選ばれたことでかなり興奮しているようで、とにかくHood
Riverに来るというんだよ。それはいいんだが、問題は 彼らは英語がしゃべれないらしい。映画上映の後で、Q&Aがあるが、彼らのために 君に通訳をしてもらいたいんだ、やってくれるかい?」
10月の初めに、アメリカ人の友人に紹介され コンサートに行った。日本人4人のアーティストから結成されたバンド、「Mono」。ギター、ベース、キーボード、ドラムのインストルメントで 静と動が波打つ、壮大なスケールの演奏で、体と心に浸透していく音を出す。詩はなく、言葉の替わりに その音だけで メッセージを送る。懐かしいような、ふるさとを思うような、そんな気持ちが沸きあがってきた。
興奮した勢いで ショーの後 メンバーの一人であるTakaさんに声をかけた。
アンダーグランドのミュージシャンを探して 紹介するブログを運営しているこの友人が、Monoのインタビューを彼のブログに載せたいという。君にコンタクトを取ってほしい、と、どこから調べたのか Monoのマネージャーの連絡先を送ってきた。
そんな経緯で、Monoにコンタクトを取り、Email上でインタビューを行うことを承諾してもらった。Takaさんの答えには、日本を、日本人であることを大事にし、それを表現したいという気持ちがこもっていた。
日本からわざわざ この小さな町の 小さな映画祭に来る。なんか 彼らの興奮状態がわかるような気がした。「Of
course, Dan.、I am glad to help them!」同郷であることのセンチメンタルな気持ちが こうやってがんばっている日本人を目にする度に湧き上がり、応援したい、と思う。
「父の愛人」が上映される当日、助監督の舟木俊作さんと主演女優の河野知美さんに会った。監督の迫田公介さんは お父上が突然病気になられて 已む無くキャンセルということになった。
映画のストーリーは 静かで、激しく、奥が深く、悲しく、そして それらはすべて、「生きる」という事と、「人間」ということを表現していた。とても 隣に座っている若者達が 作り上げたとは思えないほど 成熟していた。映像も美しく、編集もプロフェッショナルだった。
Q&Aで 舟木さんと河野さんが、満席のアメリカ人の観客の前に立ち、彼らの質問に誠実に答える。一生懸命 自分達の日本人としての思いを伝えようとする。それが 私にも伝わってくる。外国の人々に日本を伝えたい思い。通訳する私は、日本人として 大いなる任務を感じた。
パンフレットに 監督の迫田さんが鬱病になり 3年間療養した後に この「父の愛人」を製作したとあった。10枚にも渡る手紙を出し 出演の交渉し、浅丘めぐみを口説き落としたというエピソードを聞くと、鬱病だったなんて信じられない。迫田さんからはパッションしか感じられない。何十人ものスタッフを集め、プロダクションを作り、ひとつの作品を完成させた彼には エネルギーしか感じない。私なんかより よっぽど心に力があるじゃない!と思った。
映画に描写されているその繊細さが、彼の強さの裏側にある 敏感な感性から生まれているということなのかな。
「日本人はすごいよ! 日本人のアーティストは マジすごいよ!」
ひさびさに集まった酒の席で、日本人の女友達に 熱く語る私。
日本人はすごい、アメリカにいて 改めて日本の事を考える事って めったにないど、この日本の若者の アーティスティックな才能を見たら そう思わずにはいられなかった。アメリカに居ながら、同郷の勇姿に感動を与えてもらっているよ。
Kiki
Mono
「父の愛人」- My Father’s
Mistress
Mr.
Hood Independent film Festival
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