Plate & Pitchforkの開催するDinnerに行って、またポートランドに住んでいてよかったな、と思っちゃったよ。本当に人々の食に対する意識が「フレッシュ、オーガニック、シンプル、ポジティブ、そしてクリエイティブ」に注がれていてる。皆が 健康を考え、材料を知り、それがどこから来ているのか、誰がプロデュースしているのかを学び、それらの新鮮でおいしい食事を楽しみ、尽きるところは 人生を楽しんでいる。
Plate & Pitchforkのアイデアは、皆を地元の農家に招き、生産者と交流をとりながら、その生産過程を学び、その農家で取れた新鮮な材料を 腕利きのシェフに料理をしてもらい、Willamette
Valleyのワインと共に頂く。夏の早い夕方、畑の中に白いクロスをかけたテーブルを設置して。(この夢のような美しいイメージは彼らのウェブサイトで。)
Winery, Farm, Chefがコラボして、自然の中にダイニングルームを作り上げる。なんて素晴らしい企画なんだ!
ポートランドらしいっちゃ、ポートランドらしいが、友人からのInvitationがなければ、そんな秘密の花園の食事会があるなんて、知らなかったよ。
Plate & Pitchforkは2003年から 毎年夏にこのイベントを開催しているとか。一番気候の良い7月、8月の週末に10-11回のみのDinner。単発のシーズン限定企画だが、多分確実に知名度を上げてきているはず。アイデアの面白さもあってか、有名レストランのシェフの名前も見られる。人数限定のプライベートディナーだし、そういう意味でも、お一人様の料金が$135から$185までというのは 高い!というよりも、納得の金額なのかもしれない。しかも、ほとんどがSold
out状態。
友人が選んで、もう先に買ってあったのは Domaine DrouhinでのワイナリーツアーとDinner。$160。
高い! 何にそんなお金かかってんの??? というのが もちろん一番最初の私のリアクション。ワイナリーツアーでしょ、食事でしょ、他に何が付いて来るの? テイスティングは? ワインボトル1本 おみや? それも無いのに$160!?
いかんいかん。いい大人の女性が、これくらいの金額でうろたえてちゃあ いかん。Experienceに対しても料金を払っているという気持ちを忘れちゃいかん。シェフもそのアシスタント達もポートランドからやってくる。材料費にスタッフ賃金にWineryの場所提供代にプロフィットを考えると、そりゃこれくらいはするでしょ。そんな勝手な予算割り出しで 最終的に自分を納得させた。
ポートランドから 車で約1時間ほど走ったDaytonにDomain
Drouhinはある。当日は、今年最高気温の、真夏日和の日だった。 Highway-99WからNE
Breyman Orchards Rd.に入る。ゆっくりと丘を登っていくと、雲ひとつない真っ青な空を背に ぶどう畑が畝となって広がるのが見え始める。突然フランスのワインカントリーに来た気分になる。素敵ぃー!
美しく立派なDomaine Drouhinのエステートは、壮大なぶどう畑の斜面に建っていた。こんなにマガジンの写真のような光景のWineryに来たのは 初めてかもしれない。
ロビーに入ると、ウエルカムドリンクとして、ロゼが注がれていていた。グラスを片手に外のバルコニーに出る。360度ワイン畑が広がり、その向こうに町や林が伸びていく。ああ、気持ちいい。
トレーに乗ったアペタイザーが出回り始めた。レセプションが始まったようだ。
5-6種類のアペタイザーはどれも美味しく、何度もお姉さんを追いかけては お変わりをもらった。ワインもちょこちょこ継ぎ足しに来てくれる。結構いいスタートじゃない?
いよいよツアーに出発。まずは 外に出てぶどう畑まで歩く。ワイン造りを愛して止まない職人が自ら、エステートの歴史と、ぶどうの成長に関して、オレゴンの気候や気温、水、土の話など ハンズオンの講義をしてくれた。次に蔵に移動し、ぶどうの醸造過程や、樽詰め、貯蔵などの話を聞く。よくCraft
workというけれど、本当にそうなのである。
こうやって私達がEducateされている間、外ではDinnerの用意が着々と進んでいた。
エステートの広い庭の一部に背の高い木々が立ち並んでいて、強く熱い直射日光を枝々が遮り、オアシスのように涼しい風が吹き抜ける場所がある。ここに白いテーブルクロスに美しいブーケが飾られたテーブルが並ぶ。即席設定した野外キッチンには、シェフやそのスタッフ達がエプロンに麦わら帽という井出達で腕をふるっている。本日のシェフは Crown
PaellaのScott Kettermaと、HoldfastのJoel
StocksとWilliam Preisch。英気溢れる、夢と希望を抱いたシェフ達、そして、この企画の発起人、実行者である、Erika
Polmarが、席に着いたゲストを前に、挨拶のスピーチをする。皆若い! とっても素敵なアイデアだけど、こういうコラボの企画を実際に現実化していくって、本当にすごい。なんか、いいなあ。提供する側も、される側も、こういう「機会」を楽しみむために、一生懸命働き、お金を使う価値を見出しているような気がする。楽しい人生を送るには、そういう観念も不可欠だな、と思った。
第一のコースは夏野菜のグリル。SupplyしているのはSun Gold Farm。アタシのCSAの農家じゃん! 次に薪の直火で料理したパエリア。そして、柔らかい牛肉の煮込み料理に、デザート。Domain
Drouhinが選んだワインをそれぞれペアリングして頂く。無限に注がれるワインと、おいしい食事と、テーブルを囲む他のゲスト達との会話を楽しむ。最高!
これは 充分金額に見合っていると納得(再度割り出し)。文句無し。来年はSun Gold FarmのDinnerに行きたい。
今年はもう終わっちゃったけど、来年のPlate & PitchforkのWebは要チェックだわ。
陽が沈むと、7月2度目という満月、「Blue
moon」が、本当に雲のない蒼い空に 大きく、オレンジ色に浮かぶ。
最後まで、生きてる事の喜びを感じた一日だったわ。こんな日を 自分の人生の中にもっと取り入れられるよう これからも頑張って働くぞっ。
Kiki
Plate
and Pitchfork
Domaine
Drouhin
Posted on 夕焼け新聞 2015年9月号
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