Saturday, November 28, 2015

おいしい話 No. 101「マヨネーズ」



生活改善、健康食生活大作戦に入る時に、キッチンの棚から パントリーから 冷蔵庫からと一斉掃除をし、添加物、保存料、MSG、その他わけのわからん化学調味料が入っている食材を排除した。いやー、気持ちいいー、すっきりー、なんて言ってたけど、実は一品だけ、どうしても捨てられない物があった。キューピーのマヨネーズ。
マヨネーズはキューピーじゃなきゃだめ! こっちで売っている軽くて薄い味のマヨネーズはマヨネーズじゃないっ!と 言い切り、ハビーにも 間違っても他のブランドを買って来ないようにと、強く言いつけていた。キューピーに勝るおいしさを持つ市販のマヨネーズはどこにもない、と信じていた。キューピー最高。日本の商品最高!
「ハニー、でもこれ MSG入ってるよ。」
ハビーが水を差す。ガーン。
やっぱし 入っていたか、、、。ていうか、キッチンから排除した食品のほとんどは、日本で製造された物だった。
日本の食品は工夫が沢山で、バラエティーが豊富で、美味しい。でもその「美味しい」という感覚に達するために、様々な化学調味料の配合で調整されていたりする。あの崇拝していたフワフワモチモチ食パンも、どうやってその食感が出来上がっているのか、もう一度しっかりリサーチをした方が身の為かもしれない。

ハビーに指摘されても、キューピーのマヨネーズは捨てる事が出来なかった。ブロッコリーを茹でた時や、卵サンドを作る時や、お好み焼きをしたい時、どうしたらいいのよ! 得にアタシとハビーが大好きなポテトサラダ。キューピーのマヨネーズがなかったら 作れないじゃないの! とにかく、念の為に、という事で このチューブは袋に入ったまま冷蔵庫にそっとしておく事にした。

さて、秋に入った最近のCSAは 取り立てのじゃがいもが多くなってきた。マッシュドポテトにしたり、ポテトのキーシュにしたり、丸ごとグリルしたり、色んな料理方で旬の味を楽しんでいる。ポテトサラダ以外。
捨てられもしなかったが、使いもしていなかったマヨネーズ。今週のCSAには リンゴにキュウリにレッドオニオンが入っている。私のポテトサラダの材料が肩を並べている。ポテトサラダ食べたい。でも マヨネーズ、、、。

一人でうだうだと煮え切らない私にハビーが一言。
「自分で作れば?」

はっ。自分で作る、、、! そうだ、マヨネーズって手作りできるんだ!
すぐさま頭に浮かんだのは 小学校の時の家庭科の時間。何班かに分かれて、毎週いろんな料理を作っていたが、マヨネーズも作ったよ そういえば! 小学生の私が作れたんだから 今の私が作れないはずはない。
早速ネットで作り方を検索する。卵の黄身、油、レモン汁、塩、コショウ、そして隠し味のマスタード。めっちゃシンプルな材料。コツは分離しないよう、油を少しづつ入れながら撹拌する事。最初、泡だて器で シャカシャカと混ぜていたけど、わりと疲れるのね、これ。ハンドミキサーにスイッチ。泡だて器一本でよく作ったよなあ、と小学生だった当時の自分に感心。パワーを最強に合わせ、ウィーンと混ぜていく。卵の黄身一個に対して、油が150CC。結構油使うのね。マヨネーズの真相を初めて見た感じ。あんまり沢山摂取するべきではない物と、実際自分で作りながら 認識した。これが手作りの利点という事かもね。何をどれだけ使っているか、自分でちゃんと把握できる所が。

ハンドミキサー様々、数分後、美しく滑らかなマヨネーズが出来上がった。しかも、美味しい!ちょっと手作りのマヨネーズに感動。全然大層な事じゃなかったわ。茹でたブロッコリーに付けてパクリ。マジ美味しい。手作りに勝るものはない。手作りのマヨネーズ最高!
早速、ポテトサラダに取り掛かる。新鮮な野菜に フレッシュなマヨネーズ。なんか気分が良いわ。

はあ、これで、正式にキューピーのマヨネーズとお別れする事ができる。今までしがみついていたこの思い。もう心残り無く、手放せる。
冷蔵庫を開け、マヨネーズの袋を取り出す。さようなら、ベイビー。
その時、その背後に身を隠す お好み焼きソースを発見。あっ!マヨネーズだけでなく、これも無意識に残しておいたか!

次のチャレンジは手作りのお好み焼きソースか。安心食生活も、一筋縄ではいきません。



Kiki



Posted on 夕焼け新聞 2015年10月号

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