私には どうしても相性の悪いエリアがある。Hillsdale、Multnomah Village界隈。NEに住んでいる私は、SWに行くことは ほとんどない、この界隈に住んでいる友人Yに誘われない限りは。
Yは、何度か引越しを繰り返しているが、いつもHillsdale、Multnomah Village界隈に居を決める。住めば都、私にとっては Mazeでも、彼女には 一番住みやすい場所のようである。
パーティー好きなYは よくいろんなパーティーを企画して お家に招待してくれる。彼女がHillsdaleの一軒屋に住んでた時、鍋パーティーに呼ばれた。初めてのHillsdale, 夜の住宅街は真っ暗だった。地図に示された場所を何度も何度も行ったり来たりするけど どうしても見つからない。ちょうど同じく御呼ばれした友人達が通りを歩いているのを捕まえて なんとか辿り着けた。次に新しく移ったアパートで行うポットラックパーティ。「前の家からすごく近い」と言われても、それがわからない。また同じ通りを行ったり来たりを繰り返し、やっと到着。その後、新しいルームメートとMultnomah Villageに住み始めた彼女、日本から遊びに来た親友の歓迎会を開いた。やっぱりここにもすんなりと辿りつけず、切れる寸前。
そして先日、Yから新たなInvitationが送られてきた。「Multnomah VillageのLucky Labでパンプキンのカービングをするからおいでよ!」ハロウィーンよろしく背中に冷汗が流れ、動悸が激しくなった。また 呪われの界隈ですか。
Directionには強く、Mapを一回見て 交差する通りの名前をメモするだけで、迷うことなく目的地に辿り着ける私だけど、この界隈だけは なぜか、そうはいかない。
GoogleでMultnomah VillageのLucky Labを検索する。出てきたMapを広げて 位置を確認。オッケー、I-5Southで、296Bの出口で降り、Multnomah Blvdに乗ればいいのね。Multnomah Villageは、Yの友人のBBQパーティーに行った時に 充分 グルグル回ったので、明確にイメージできるわ。Lucky LabはそこからCapital Hwyに乗ればいいわけでしょ。頭の中に I-5からLucky Labまでの道のりがキレイに一本線でプリントされた。
今回はイケル、と思ったその自信と、インプットされたルートが砂に書いた絵のように消えたのは、296Bの出口閉鎖表示を見た時。え、え、え、?あれ? 次の出口296Aで降りた私は、Barlur Blvdを走っていた。まだ同じエリアだろうし、いつかMultnomah Blvdにのれるはず。暗闇のラッシュアワーの中、必死に目を凝らして、通りのサインを確認しようとするが、なかなか読み取れない。は、シマッタ、さっきの通りだったかもしれない。どこかで曲がるべきなのだろうけど、ヘッドライトを煌々とさせ、隙間無く連なり動く車の壁を打ち破れない。やっと曲がった時には、「ここはどこ?」状態。位置感覚をすっかり失っていた。
Yに電話して誘導を願うが、これまた毎度同じく、方向音痴の彼女と自分がどこにいるか確定できな私の会話は、GPS故障状態だった。気が付いたら、Capital Hwyのサインが現れた。そのことを彼女に告げると、「あ、Hillsdaleにいるの?そうすると私の前のアパートの近くだと思うから、ポートランド向けに走って、、、、」という説明。スマートフォンがあれば、このAnxietyは起こらないのだろうね。
例に漏れることなく、今回もさんざん行ったり来たり、ぐるぐる回って やっとLucky Labに到着。ビールが旨いことといったらなかった。ローストガーリックがたっぷり乗ったべジタブルピザが、ゆっくりと腹に落ち着いていく。はあ、よく名前は聞いてたけど、普通のバーとなんら変わりないじゃない。ビールがあってピザがあって。
後にハビー曰く、あのバーはDog Friendlyなんだよ、店の名前が記すように。「Lucky Labrador」って言うでしょ。
はっ、Lucky Labって、「Lucky Laboratory」だと思っていた。
私を筆頭に、その日集まった仲間がデザインを考え、男たちの手によりカービングされた巨大パンプキンが、Multnomah VillageのLucky Labのカウンターに飾られている。11月の始めまでは 観賞することができるのでは。是非、この界隈との相性、お試しあれ。
Kiki
LUCKY LABRADOR PUBLIC HOUSE
(503) 244-2537
Posted on 夕焼け新聞 2011年11月号
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