Sunday, April 22, 2012

おいしい話 No. 58「Girls Night Out」


そりゃあ まあ(自分のダンナはさておき)素敵な異性がいないと生きていけない女子共だけど、女だけで出かける夜には、あえて 男子(ダンナ)は呼びたくない。呼ぶと楽しさが半減する。帰りしなに 不完全燃焼感が残る。やっぱり 女子だけで集まる会をまた設定しなければならないね、となる。

しかしなぜ 女子だけで集まると、こんなに楽しいのだろう。
2011年も終盤にさしかかり、最後の締めは もちろん男子立ち入り禁止のGirls Night Out
普段着ることのないドレスを選び、ぺったんこシューズからキラキラのハイヒールに履き替え、少しおしゃれをして ちょっとリッチなレストランに集まる。いつもはTシャツにジーンズで ダイブバーみたいなとこで安いビールをくらっている私達でも、年に一度のクリスマスの時ぐらい、これくらい装って、特別な夜を過ごすのもいいじゃない。

素敵な異性とのデートの時も、女子というものは はりきるものだけど、ホリデーシーズンのGirls Night Outは異様。1ヶ月前から 日にちと場所を設定、2週間前から ドレスコードメモがvia社内メールで走り、1週間前には 上司に この金曜日は残業はいっさいできません、という断固とした意思を伝えること、という指令が出される。そうして Sex and The City風貌よろしく、女4人が、5時きっかりに Laurelhurst MarketBarに集まった。

まずここで男子の集まりでは見られない光景が展開される。ハグとキスでグリーティングした後は、お互いの装いを充分に褒めあう。ヘアスタイルにアクセサリ、メークアップに、ドレス、そしてシューズと。男子にまったく持ち合わせぬ感性と視点で ポイントアウトしながら褒めていく。
一通りの儀式が終わった後は、無くては始まらぬカクテルのオーダー。

Laurelhurst Marketで必ず飲まなければならないのが、「Smoke Signals」。このカクテルの美味しさの秘密は、Hickoryでスモークされた、でっかい真ん丸の氷。この真ん丸の氷がごろんとウイスキーグラスの中に入り、シトラスとシェイクされたウイスキーがその上から注がれる。昔サントリーウイスキーのコマーシャルで見たことあるような絵だ。
丸い氷って、ゆっくり溶けるから、氷が溶けるにつれ、スモーキーな味とアロマがゆっくり放たれ、ウイスキーと旨い具合に調和する。こんなにリッチだけど、繊細なウイスキーカクテルは他にはない。これが飲みたいからLaurelhurst Marketを選んだ、とも言える。

アルコールが注がれれば 誰もこの女子4人を止められない。「Catch up」の弾丸トークが展開し、美しい装いに反する笑い声が連射される。なぜここに男子(ダンナ)がいると、不完全燃焼感が残るかというと、このリズムと勢いとエネルギーが制御されるからだ。女子には女子の言い分があり、女子にだけしか分ち合えない事が世の中には沢山ある。そこに共感できない男子が(ダンナ)が、無頓着にも 自分のフットボールチームや、最近出たTablet、欲しいソフトウエアの話などしだすと、急速 鎮火状態になるのだ。

ダイニングに移って、「Smoke Signals」のお変わりをして A LA CARTE のステーキを注文する。キャンドルライトの下、普段なら素敵な異性とロマンチックな時間を過ごすところだが、今日は女友達と ミディアムレアの肉をシェアしながら、生々しく、毒々しく、密やかな話しに花を咲かせる。
特別おしゃれをしているからか、照明効果なのか、いつもより生き生きと若返ってみえる女子軍。
「そりゃあ オトコも必要だけど、アタシはこの女子の集まりなしでは 生きていけないっ!」
全員が真っ赤な顔をして頷く。
まさに 人生のアルコール補給なのである。ちゃんと定期供給をしてあげないと、顔から、魂から、火が消えてしまうのだ。(決して酒乱の言い訳では ありません。)

気がつけば、満席状態の店内。他の客の歓談の音が レストランに充満し、私達の賑やかな声を掻き消す。この楽しい夜が永遠に続いてほしい。そう願うところに、サーバーのお姉さんがチェックを持ってきた。ちゃんと お金を払わなければいけない現実、家に帰り、日常に戻らなければいけない現実がよみがえる。
よし、充分笑ってアドレナリンも活性化できたし、ポジティブパワーも補給した。明日から そして来年も またがんばるぞお! 次回のGirls Night Outを 日々の糧に。

でも その前に、もう一件 寄っちゃう?


Kiki



Laurelhurst Market
3155 E. Burnside, Portland OR 97214
503-206-3097  


Posted on 夕焼け新聞 2012年1月号

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