Saturday, January 31, 2015

おいしい話 No. 89「Maru」


最近、居酒屋「Maru」がいい感じだ。

すごい久しぶりに行った。1年ぶり。

なんか遠ざかっていたなあ。なんでだろ。

1つは、自分ちから遠い、って事だと思う。非常に個人的な理由だけど、それって私にとっては重要な事。南はDivisionが 私の行動範囲の限界ライン。だからConvenienceという意味では リストの隅に追いやられていたかも。

もう1つの理由は、メニューに魅力を感じなかったから、かな。そりゃあ 押し寿司とかオムそばとか 美味しかったけど、わざわざ 毎度Divisionに出かける気力を与えるメニューではなかった。ハッピーアワーのメニューもしかり。

先日、同じような理由で、同じく1年くらい「Maru」から遠ざかっていた友人から、この間久しぶりに行ったところ、「すごく良くなっていた」と、報告を受けた。

居酒屋不足のポートランド、非常にフラストレーションではあるが、「Maru」に、 私が居酒屋として認めるそのポテンシャルがあるのか。

改めて調査する必要があるとみた。

ある夕方、仕事の後、前出の友人と「Maru」で待ち合わせをした。

ハッピーアワーのメニューが新しくなっていた。Cold Tapas$3)にHot Tapas$1.5$5)、そして 何より充実しているのが串メニュー($1.5$3.5)と手巻き寿司($3$3.5)。「いいじゃないー!」

印象は抜群に良かった。そうなるとイキナリ調子が出てくる私。あれとこれとそれと、と何本か串を注文。運ばれて来たビールはキンキンに冷えたグラスに入っていた。「これよー! ビールはこうでなくちゃー!」

スタートの気分は絶好調。友人とニンマリ顔を合わせ、グラスをチン!

さて、ひとまず落ち着いた所で、辺りを見回す。内装が得に変わった雰囲気はなし。オープンから働いている人がいる。これは良いサインだ。寿司バーは、と入口の近くにある小さい寿司バーに目をやる。オープン当初は アメリカ人がそこに立っていたけど、なんだか日本人ぽい人が立っているぞ。店の人に確認すると 寿司はずっと日本人が握っていると言う。「よっしゃー!寿司いくよこの後は!」と、嬉しい気分が盛り上がる。やっぱり、「寿司は日本人じゃないとダメ」という私の固定観念は 深く頭に埋め込まれているようで、その意識はどうも簡単に取れそうにない。

美味しかった。串も手巻きも、美味しかった。とってもImproveしている、と判定。「次は寿司バーに座ろうよ」と友人と約束した。

その日から、「Maru」に また行きたくてしょうがなかった。寿司バーに座ってしっぽりと、をやりたくてたまらなかった。一週間後、同じ友人からご飯に行こうとメッセージが入った。「じゃ、Maruの寿司バーで5時半に」。有無を言わさぬ返事を返した。

寿司バーに座り、冷え冷えグラスに入ったビールを飲んだ後、今日のお勧めは?と職人に聞く。これ、ずっーっとやりたかったのよね。今日はウニが入ったばかりなんですよ、と言う。ウニかあ、いいねえ。いってみようじゃないの、ウニ。昔なら「オヤジじゃん、それ」と突っ込まれる所だけど、もうすっかり そんなトシ。

軟骨や、砂肝、シシトウ、オクラの串から始まり、寿司に移る。ハマチにサーモン、ウニ。あんまり種類は多く無いけど、一つ一つの握りが美味しかった。得にシャリが旨い。米の炊き方と、寿司酢の和え方が非常に上手い、と思った。寿司はネタもさることながら、シャリが旨くないと台無しだからね。

「いやーあ、いい感じだよ、マルーッ」と、友人と褒めまくる。

そして次の週、久しぶりに会う別の友人と、テキストメッセージで、どこに行こうかという話になった。「Maru」良いよ、と送信。数分後、「今Web見たけど、ハッピーアワーのメニューいいじゃん!そこにしよう!」と返って来た。

この友人、いつもはオシャレなカクテル系を選ぶのに、「日本酒いっちゃう?」なんて言うではないか。お互いにお銚子を傾けながら、久しぶりの会話に花を咲かせた。「良いよねー、こうやって落ち着いて、美味しい日本食と、お酒が飲めるなんて」と、友人がしみじみと言う。

本当に、そうである。正しく、そうなのである。これが私達日本人が求めている場所なのだ!

ということで「Maru」には このままKeep upしてもらわなければならない。

そして私は、またまた別の友人に、「Maru」いい感じになってるよ、というメッセージを送っている。「Maru」までの距離が、突然短くなっている今日この頃である。

 
Kiki

 
Yataimura Maru

3810 SE Division St.

Portland, OR 97202

503-841-5527


(you can just call us Maru)


503-841-5527


503-841-5527

 

Posted on 夕焼け新聞 2014年9月号

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